■ 草木の精
ご自分を植物の愛人、
草木の精かもしれないと
語られた牧野先生。
江戸時代末期、
160年も前に生まれた
男性の言葉と考えると、
かなり変わった人と
思われたでしょう。
それを全く気にしない
先生のおおらかな人柄が
伺える文章です。
生まれながらに植物が好きだった…
まさに植物一筋の人生ですね。
「私は植物の愛人として
この世に生まれ来たように感じます。
あるいは草木の精かもしれんと
自分で自分を疑います。
ハハハハ、私は飯よりも女よりも
好きなものは植物ですが、
しかしその好きになった動機というものは
実のところそこに何にもありません。
つまり生まれながらに
好きであったのです」
・
(『牧野富太郎 植物博士の人生図鑑』平凡社より)