エルダーは
季節のめぐりを
わかりやすい形で
表現しています。
春が来ると若葉を出し、
夏が始まると
マスカットのような
甘い香りの
星型の花を咲かせます。
夏の終わりには
黒い実をつけ、
秋になると、葉は紅葉し、
冬には
人間がその薬効成分を
役立てます。
イギリスの農家では
魔女や邪悪な影響力から
身を守るため、
家のそばに
必ずエルダーが
植えられたと言われます。
エルダーは聖なる木なので
決して雷に打たれず、
魔女でさえ
この木を恐れると信じていた
伝統文化もありました。
ケルトの神話には
3つの姿を持つ
白い女神が登場します。
乙女、母親、老婆の姿をして
現れる女神です。
エルダーは
老婆の姿の白い女神と
結び付けられました。
この老婆(白い女神)は、
地下の見えない世界、死、
こころの内なる
暗い神秘の世界への
入り口を見張っていると
考えられました。
エルダーは、
冬至に向かう
闇が最も深くなる
今の季節の聖樹らしく、
「欠けゆく月」や
「衰えゆく半年」の女神たち、
とくに
「冥界の女王」と
強く結びつけられ、
死と再生のシンボルと
とらえられていました。
死と再生の
大きな節目にあたる
冬至は、
エルダーの月の翌日、
やってきます。