木と人間の繋がり

先日森を歩いた時、

「樹木と人間は何が違うのだろう」

という思いが湧きました。

もちろん人間は樹木ではありません。

けれど、その時

「樹木と人間は同じだ」という、

言葉では表現しにくい

感覚があったのです。

「そんなことあるわけない」と否定する

声がどこからか

聞こえる一方で、

とても強く迫る、

抗えない体感がありました。

むかし読んだ本を

読み返した時、

それは自分だけの感覚ではなく、

古くから同じように感じる人たちが

いたということをリアルに感じました。

古代から人々が語り継ぎ

残されてきた民話や伝承のなかに、

木々と人間との繋がりを示す話が

多く記されています。

楡(ニレ、エルム)の木と人間との繋がり

「人間が木からできたというイメージは

非常に古いものだ。

木は雄と雌の個体に分けられ、

そこから男性の木と

女性の木が生じた。

楡(ニレ)は男性の木とされていた。

イタリアでは

<女性の>ブドウの木を守るようにと

<男性の>楡(ニレ)が

ブドウ畑に植えられた。」*

また別のゲルマン神話では、

「木の夫婦の話がある。

渚をぶらついていた神々が

2本の丸太を発見した。

漂流物として流れ着いたもので、

楡(ニレ)ととねりこの幹だった。

神々はこれらに

魂と言葉と血と命を吹き込み、

人間の祖先とした。」*

ゲルマンの神話では、

ニレとトネリコが

人間の祖先なのです。

この記事を読んでくださっている方も、

きっと樹木と深くつながる(共感・共鳴する)感覚を

お持ちだと思います。

この感覚は、

見える世界や思考を超えたもの。

普段はとらえにくいものですが、

確かに私たちの中にあるものです。

こんな側面が

実は大事な

生命力の源なのではないかと

感じています。

大切に育てていきたいですね。

*『樹(バウム)』
(スザンネ・フィッシャー・リチィ、あむすく)より

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