8月1日。
自然とともに生きていたケルトの人々にとって、
明日は「ルーナサ」と呼ばれる祝祭日。
前日の今日の日没から祭りは始まる。
収穫の季節のはじまりを祝う日。
太陽の神・ルーに祈りを捧げ、
その年、最初に実った小麦で
「最初のパン」を焼く。
それは、ただのパンではなく、
豊穣と命の循環を讃える儀式。
そこに現れるのが、
金色の麦をまとった「穂麦の乙女」。
この乙女は、
大地と実りの象徴。
光と結ばれ、命を育む女神の姿。
ルーの黄金の光と、
大地のうねりが交わるとき、
与えられた恵みに気づく瞬間が、
私たちにもそっと訪れる。
ケルトも、日本も、
自然への祈りが根づいている。
日本の暦では、8月7日が立秋。
暑さの中に、
ほんの少しの陰影と気配が立ち上る。
自然は、静かに、
実りの季節へ向かっている。
今年訪れる「最初の実り」は、
どんなかたちをしているのだろう。
それがどんなものであっても、
ただ、静かに感謝して受けとりたい。