ケルトの新年、サウィンの守護樹「リンボク」

11月1日はケルトの新年です。

ケルトの暦には
いくつかの説があります。

それは、ケルトの人々は
文字で書いた記録を残さず、
口伝を中心にしていたため、
情報がとても限られているからです。

また、ブリテン島やアイルランド他の「島のケルト」と
フランス、スペインを含む「大陸のケルト」といった
地域性もあるでしょう。

ケルト暦については、おもに
19世紀末にフランスのリヨンで
発見された2世紀ごろの
太陰太陽暦「コリニーの暦」が
もとになっています。

農耕牧畜を営むケルトの人が
太陽と月の巡りを中心とした
自然のリズムに呼応して
生活していたことがうかがい知れる暦です。

暦には毎月、
守護樹が当てられていたと言われています。

一説では、ケルト暦で一年の始まりにあたる今日は、
「リンボク」が守護樹とされていました。

リンボクは英語では
「ブラックソーン Blackthorn」と呼ばれ、
名前の通り、黒い枝に鋭い棘を持つ
バラ科の木です。

興味深いのは、
闇の半年が始まる今日をリンボクが司り、
対する光の半年の木に
「サンザシ(ホーソーン)hawthorn」が当てられ、
姉妹の木としてそれぞれの木が
闇と光を象徴すると考えられていたことです。


サンザシ

この2種はともにバラ科の花で
星形になる5枚の花弁を持ち、
枝に棘(thorn)を持っています。

ともに美しい白い花を咲かせますが、
サンザシは妖精の木とされ、
リンボクは魔女の木と考えられました。

光の半年の始まる5月1日は
夏の始まりの祝祭の日で、
サンザシが酔いそうなほど強い香りを放つなか、
人々は夏の始まりを喜び、飲んで歌って祝いました。
若者にとっては
恋の季節の始まりでした。

サンザシは豊かな収穫と子宝という
最高の豊穣のシンボルだったのです。

対して闇の半年の始まりの聖樹リンボクは、
古くから黒魔術や呪いに使われていたとのこと。

魔女狩りに火あぶりの薪として燃やされたとも
言われている不吉な木です。

そんな不吉な木をなぜ
闇の始まりの守護樹にしたのだろうと
疑問も湧きますが、

そこには、常に光と闇を
生きる知恵として意識した点があるようです。

サウィンをはじめとする季節の祝祭では、
自然界や生命における
光と闇の両面がつねに意識されていました。

ケルトの人にとって「闇」は「悪いもの」ではなく、
循環の一面を担うものだったのです。

多くの古代の知恵と同様に
世界は闇から始まるという考えがありました。

その意味で、
闇を象徴するリンボクを
闇の半年の始まりの木と捉えたのは、
これからの厳しい冬を乗り切ろうとする
強い覚悟が表れているように思えます。

鋭い棘を持つ真っ黒の枝は
春の初めに真っ白な花で満たされます。
その純白の花の咲く春を夢見て
希望を託していたのかもしれません。

光と闇、生と死に終わりはなく、
つねにめぐっているのだというケルトの人の知恵は、
厳しい冬に向かって闇が濃くなるこの季節に
リンボクをシンボルにして
勇気や力とのつながったのでしょう。

闇の冬の後、
必ず光の春はやってきます。

闇に包まれたような暗い気分になる時、
リンボクの花が象徴する
闇の後のまばゆい光も心に留めて
過ごしたいものです。

〜*・〜*・〜*・〜*・

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