ケルトの聖樹「エニシダ」

今日は立冬。

いよいよ冬が始まりますね。

むかしに比べ

温かくなったとは言え、

冷たい風が吹き、

落ち葉も目立ってくる頃です。

11月1日に新年を迎えた

ケルトの暦では、

今は「エニシダ」の季節です。

ケルトの暦も

日本の旧暦と同様、

太陰太陽暦です。

一年を13の月に分け、

それぞれの月と

節目の日に、

聖樹(聖なる植物)と

原始的な文字が

割り当てられていました。

文字で記録する

文化を持たなかった

古代ケルト人の生活ぶりは

明らかではありませんが、

一説では

ちょうど今は

エニシダの時季にあたります。

エニシダは

バッチフラワーの

ゴース(ハリエニシダ)の近縁種。

ゴースは

春分の日の聖樹です。

針のような鋭い葉を持ち、

刺激を与える様子を

示しますが、

エニシダの葉は丸く、

どこか繊細で

優雅に見えます。

その様子は

王侯、貴族に好まれ、

フランスのブルターニュの貴族は、

高貴な身分を示す紋章に

エニシダを選んだそうです。

花や茎、根、種子など、

どの部分にも薬効が高く、

冬至に向けて

闇の時間が長く

寒くなっていくこの季節は

とくに人々の健康に

役立てられていました。

冬至に向かう季節、

北ヨーロッパでは、

寒さが厳しくなり、

室内で過ごす時間が長くなります。

浮かれて騒ぐしか

することがなくなってしまうため、

病気や不調に陥りやすくなり、

それを癒すために

エニシダが使われていました。

放蕩で名高い、

16世紀の

イングランド国王、ヘンリー八世も、

度を越した飲食で不調の時には

エニシダの粉末を好んだと

言われています。

寒さと闇の深さは

わたしたちの心理状態にも

大きな影響を与えます。

ケルトの人のように

飲めや歌えの宴に

興じなければ

気分が滅入り、

落ち込むことも

多くなるかもしれません。

エニシダの花は

鮮やかな黄金色をしています。

この花が開花するのは

春の終わりから夏の初めです。

この黄金色の花のお茶は

利尿剤として

よく使われているとのこと。

ケルトの人は

エニシダの薬効を役立てながら、

春の光の到来を信じて

闇の冬を過ごしたのかもしれません。

冬のあと、

光はかならず戻ってきます。

 

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