■ 草木への愛と世界の平和
牧野先生の本は
植物好きにとって「宝もの」です。
素敵なことばの宝庫ですが、
そのご紹介も
次回で一段落にしますね。
今日も心に響く文章を。
少し長いので、お時間のある時に
読んでみてください。
「終わりに臨んで今一言してみたい事は、
私は草木に愛を持つ事によって
人間愛を養成する事が
確かに出来ると信じている事です。
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・・・草木は生き物でそして成長する。・・・
草木を愛すれば草木が可愛くなり、
可愛ければそれを大事がる。
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大事がればこれを苦しめないばかりではなく、
これを切傷したり枯らしたりするはずがない。
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そこで思い遣りの心が
自発的に萌(きざ)して来る。
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一点でもそんな心が湧出すれば
それはとても貴いもので、
これを培えばだんだん発達して
遂に慈愛に富んだ人となるであろう。
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このように草木でさえ思い遣るようにすれば、
人間同士は必然的になおさら深く
思い遣り厚く同情するのであろう。
・
・・・人間に思い遣りの心があれば
天下は泰平で、喧嘩も無ければ
戦争も起こるまい。
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故に私は是非とも草木に愛を持つ事を
わが国民に奨めたい」
・
『牧野富太郎自叙伝』講談社より