ケルトの暦:冬至の後

昨日いよいよ冬至を迎えましたね。
その深夜、未明には
みずがめ座で木星と土星が
「超大接近」するという
貴重なタイミングもありました。

今回のような大接近は
1623年、
ガリレオ・ガリレイの時代以来
というのですから、
驚きです。

占星術では
1842年以来続いていた
「地」の時代から
「風」の時代に移行した、
と言われています。

お金や物質的な豊かさ、
地位、名誉など、
目に見える形を重んじ、
どこか重力にとらわれた
「地」の時代から

より軽やかに、
自由な精神で物事や情報をとらえ、
交流してゆく
「風」の時代へ。

これまでの経験や記憶にとらわれず、
体験してきたことを生かして
フットワーク軽く進みたいものです。

天体にこのような
大きな変化があるとすると、

「天にあるものは,地にもある」の言葉の通り、
地上の世界や私たちの中にも
大きな変化はあるのでしょう。

変化は闇のような体験から
もたらされることも多いものです。

この数か月、
感情的、精神的に(肉体的にも)
重苦しい感覚や思考、体調を経験されていた方が
多くいらっしゃいました。
わたし自身もいろいろ体験していますが、
いかがですか?

このような経験を通して
私たちは変容を促されているのでしょうね。

ただ、「風」の時代に移ったと言っても、
その移行や変化は、
すぐにはっきりと
実感を伴う体験として
意識できることもあれば、
漠然としている場合もあると思います。

それでも確実に
私たちは心のどこか、
おそらく無意識の領域で、
変化の兆しを感じ取り、
気づかぬうちに
変化していることもあるのでしょう。
もちろん大きな決断をして
前進することも。

冬至を境に、
意識と関わりの深い
「光」の時間が徐々に長くなります。

興味深いことに、
アイルランドに残る
ケルトの木の暦では、
冬至の翌日の今日(22日)は
「名前のない日」と呼ばれ、
守護樹も当てられていません。
いわば空白の日なのです。

この日、人々は断食をして
闇の女王をなぐさめ、
それによって女王は
太陽が地上に戻るのを許し、
新しい一年が始まったと
言われています。

そして明日23日には、
光が復活し力を強めてゆく
夏至までの半年を司る王が誕生します。

この日は生命の始まりの日として、
パイン(マツ)が守護樹に当てられていました。

パインは冬至の21日、
冬至を象徴する
イチイの木と一緒に
大焚火にして燃やされました。

古代の人々は
暗い冬の時期、太陽の光は
常緑の植物に蓄えられていると考えていました。

冬至で人々は
常緑のマツの木にろうそくを灯し、
生命の源=太陽神の神聖な光を
守ろうとしたと伝えられています。

マツはギリシャ神話で
女神アルテミスの
聖樹です。

アルテミスは月と縁が深く、
乙女と狩猟の女神。
子どもの誕生を司っていました。

23日は、
ケルトの自然信仰で
光の半年の始まりを祝う日でしたが、

かつてはキリスト教でも
神の子の生誕日と
とらえられ、
一緒に祝っていたそうです。

闇の極まる冬至が過ぎ、
名前のない、
空白の1日を経て、
明日、新たな光が
誕生します。

ケルトの人にとって
今日はその誕生を前に、
それまで経験した
「闇」の体験を
光や力へとつなぐ
1日だったのかもしれません。

私たちにとっても
節目の時です。
大切に過ごしたいですね。

明日の「誕生の日」の後
クリスマス、年末・年始と
行事が続きます。
どうぞ軽やかに、お元気でお過ごしください。

~・*~・*~・*~・*~・*

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