弱さではなく、
「うちに眠る可能性」が
そっと息づいている——
ラーチのことを想う時、
いつもそのことを思い出します。
自分だけが
一歩遅れているように
感じる日があります。
周りは進んでいるのに、
自分だけが
立ち止まっているように
見える日。
ケルトの人々が
季節のめぐる
リズムの中で
生きてきたように、
木々もまた、
それぞれのリズムで
葉を開きます。
ラーチは、
4〜5月の春が深まる頃、
新しい葉を
静かに開き始めます。
ほかの樹木より
少し遅れて
淡い緑をまとうその姿は、
自然が
それぞれのリズムで
動いていることを
そっと教えてくれるようです。
私たちにもまた、
他の誰かではなく
自分なりのリズムがあります。
けれど日々の中では、
社会や周囲に合わせることが
必要な場面も多く、
自分のリズムを
横に置いたままにしがちです。
ラーチがそっと支えてくれるのは、
「自分にはできない」という
思い込みで閉ざされた扉を、
もう一度、
内側から開こうとする力です。
バッチ博士が植物に見ていたのは、
性格を変えることではなく、
本来のバランス=調和へと
戻るための力でした。
その視点は、
自然のめぐりを大切にする
ケルトの世界観とも
静かに重なります。
ただいま準備中の講座では、
ラーチを含む樹木がどのように
私たちの心に呼応し、
支えているのかを、
植物のジェスチャー、
バッチ博士の観察、
そしてケルトの守護樹観を
踏まえながら
丁寧に見つめてゆく予定です。
博士の世界観と、
ケルトの自然観が
交差するところにあるものを知ることで、
自分の“内なる自然”との共感力が
自然と育ってゆくでしょう。
自然の一部としての感覚や、
樹木、草花と響き合う力を
深めたいと感じている方と、
ご一緒できればと思います。
大きく変わる必要はありません。
ラーチの新しい葉のような、
小さな「始まり」に
気づける心でいること。
その積み重ねが、
静かな自信に
つながってゆくはずです。
もし今、比較や迷いが浮かんだら、
春に開くラーチの淡い緑の葉を
思い出してみてください。
私たちのリズムは、
いつも私たちの中で育っています。
ラーチの木と同じように——。











